「草野球の窓」くまの穴

第2章(7)「守備と走塁に対する判定」
G.アピールプレイ
(3)得点との関係
 ここではアピールプレイと得点の関係についてお話します。

 審判員に走者の規則違反をアピールしてそれが受け入れられ、三死となったとき、その他の走者の得点はどうなるのかということが問題になります。実例を挙げて解説致します。

例1
 二死走者二・三塁。打者は場外本塁打を打った。二塁走者は三塁に触れずに本塁を踏んだ。試合再開後、守備側はアピールし、二塁走者はアウトになって攻守交代となった。得点は何点か?

 アウトとなった走者の後ろにいる全走者は得点が認められません。したがいまして1点です。このケースでは、アウトとなった二塁走者の前に三塁走者がいましたので、三塁走者の得点は認められます。


例2
 二死満塁。打者はランニング本塁打で、全走者を得点させた。ところが一塁走者だけ、二塁を空過していた。守備側は直ちにアピール。審判員はアウトを宣告した。得点は何点か?

 例1で、アウトになった走者の前にいる走者の得点は認められると書きました。しかし、今回の場合はそれさえも認められずに0点で、攻守交代です。その理由は、一塁走者の二塁でのアウトはフォースアウト(封殺)と同一視されるからです。アピールによってアウトになった走者が封殺扱いとなったとき、すべての走者の得点が認められなくなります。


例3
 二死走者満塁。打者は場外本塁打で全走者を生還させた。しかし、一塁走者は三塁を踏み忘れ、打者は一塁を空過していた。二死ではあるが、守備側は二人の走者に対し、どのようにアピールすればよいか?

 基本的に、どちらの走者にでも好きな方へアピールすれば、三死となって攻守交代です。しかし、得点の記録は両者で異なります。一塁走者のアピールアウトは三塁ですから、これは封殺扱いにはなりません。したがいまして、三塁走者と二塁走者の得点だけが認められて攻守交代です。けれども、打者に対するアピールを行っていたらどうでしょう。打者にとって一塁でのアピールアウトは封殺扱いです。ですから、全走者の得点は認められず、0点で攻守交代となります。

 では今回の場合、先に三塁空過をアピールしてしまったら、もう打者の一塁空過はアピールできないのでしょうか? いいえ、そんなことはありません。守備側は、三死の後でも、さらに有利な第三アウトがあるのでしたら、そちらの方へ置き換えることができるのです。今回のケースでは、一塁走者をアウトにしてから、球を一塁へ送って塁上で打者の踏み忘れをアピールするか、または打者に直接タッグして審判員にアウトを求めたらよいのです。審判員は一塁走者のアピールアウトを取り消しにして、打者のアウトを第三アウトと宣告します。得点は2点かと思われましたが、結局0点となりました。


 以上のように、アピールプレイは直接得点に結びつくことが多く、審判員も細心の注意が必要です。封殺扱いのアピールアウトを見逃してしまうと、そのときの誤った得点が原因で、守備側チームは負けてしまうかもしれません。難しい判定となりますが、審判員の腕の見せ所です。

   今日も元気に「ストライク!」




(2001.6.26)

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草審判員 くま


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