「草野球の窓」くまの穴

第3章(1)単独制審判の動作
E.盗塁に対する判定

<単独盗塁の場合>

 一人で審判を行う際の一塁走者の二塁盗塁は、審判員と走者との距離がたいへん長くなるため、正確な判定を行うには熟練が必要でしょう。タッグプレイの判定の基本はプレイにできるだけ近寄るということです。しかし、こと二盗の場合はプレイに近づくことは不可能です。
 そこで、距離を縮めることが困難な場合は、角度を利用するように心がけます。例え遠くからであっても、野手のタッグや走者の触塁が死角にならずに判断できる場所へ移動して宣告を行うようにします。基本的に、二盗の場合は捕手の斜め右前方や斜め左前方がよろしいでしょう。

 そして三盗のときは捕手の斜め左前方に移動してプレイを注視するようにします。あまりにも早く前方に出ますと、捕手の送球動作を妨害することになるかもしれませんので注意が必要です。決して投球の判定を行ったその場で判定は下さないでください。審判員が一歩も動かないでいると、選手らに判定に対する不信感を与える結果となります。判定に対する審判員の姿勢、積極的な態度というものはとても大切なことです。(図40)



<重盗の場合>

 一・二塁走者が同時に盗塁行為を行ったときは、審判員は常に捕手の斜め左前方に出て、二・三塁上におけるタッグプレイの判定を行います。捕手の送球動作を妨害しないことについては前項と同じです。(図41)



<本盗の場合>

 三塁走者が本塁への盗塁を企てたとき、まず最初に審判員が確認しなければならない事は、投手が投手板に触れた状態で捕手へ球を送った(投球)か、もしくは投手板を外した状態で捕手へ送球したかを判断することです。投球であればまずこれに対する判定を行います。「ストライク」「ボール」。
 このときストライクの判定でありましても、ジェスチュアは必要ありません。宣告だけで結構です。走者が本塁直前まで来ていて、審判員に余裕がないときは宣告も後回しで構いません。投球がストライクなのかボールなのかだけはしっかり見極めてください。

 そしてこの後、捕手の三塁走者に対するタッグプレイの判定を行います。捕手の背中越しに本塁をのぞきこんでプレイを注視することが最良の方法です。このときも投球の判定を行ったそのままの位置で本盗の判定は行ってはなりません。一歩でも例え半歩でも前進してプレイに近づく努力をしてください。本盗の判定が終了しましたら、先ほどの投球の判定について両チームの選手によく聞こえるように再度宣告してください。「先ほどの投球はストライク(ボール)です。○○ストライク・○○ボールで再開します。」 記録員がいる試合では、彼らにもボールカウントについて報告しなければなりません。

 ところで、捕手へ投げた球が投手板を外して行った「送球」でありました場合は、投球の判定が伴わないことは言うまでもありません。そして、この「送球」を打者が「投球」と思いこんで打ってしまったときには、守備妨害が宣告されて三塁走者がアウトになります。打者はもちろんノーカウントです。この守備妨害によるアウトが第三アウトに該当する際は、走者ではなくて打者がアウトとなります。(図42)




   今日も元気に「ストライク!」

(2001.10.12)

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草審判員 くま


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