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草野球人の中には日頃カロリーを気にしている方もおられるでしょう。このカロリーは、つまり「エネルギー」のことであり、一般的に食事であればどのくらいエネルギーを摂取したか、という意味で用いられる単語です。 運動の場合には、どのくらいの仕事量をこなしたかという意味で、本来ならジュールという単位が用いられるべきですが、カロリーの方がまだまだ馴染みの深い単位なので、食事についても運動についてもカロリーを使って話を進めましょう。(学術的には両者ともジュールの単位を用いることになっています。)
まず練習では、投手は 0.1101kcal/kg/分 のエネルギーを消費します。これは1分で体重1kgあたり0.1101kcal消費することを意味しています。同様に捕手は 0.1012kcal/kg/分、野手は 0.0835kcal/kg/分です。 単位が分かりづらいので、実際の試合に換算してみましょう。1試合2時間として、体重ごとのエネルギー消費量を表にしました。(単位:kcal/試合)
体重 62kg で外野手である私の場合、一試合で約372kcalを消費することがわかります。これは脂肪でいえば 42g分、糖分でいえば 93g分のエネルギー量に相当します。このデータでは打撃や走塁で消費されるエネルギーが含まれているかどうかは定かではありません。また、試合状況や季節などによっても大きく変動しますから、単なる目安と考えてください。 さて、野球以外のスポーツと比較するとどうでしょうか。サッカー(70分間)、ラグビー(50分間)、マラソン(3時間)と比較してみましょう。(単位:kcal)
投手や捕手は他の球技と比較しても、ほぼ同等もしくはそれ以上のエネルギーを消費するポジションであることがわかります。内・外野手はサッカー、ラグビーの6〜7割のエネルギー消費です。草野球が年配層でも楽しめる理由はここにあるのでしょう。 さてそれでは、野球一試合で消費するエネルギー量は、マラソンの何分に相当するのでしょうか。
外野手の場合、計算上、21分間のランニングで一試合分のエネルギーを消費します。また、この数字を逆に考えれば、例えば 47.5分走るスタミナがなければ、投手として一試合投げきることはできないということになります。実際には、野球には攻守交代がありますし、精神的な疲労もありますから、必ずしも正確な数字とはいえませんが、練習の際のランニング量の目安ぐらいにはなるかもしれません。
プレート・本塁間(18.44m)よりも少し短い 15m と、少し長い 20m の位置、投球のペースは1分間に 6回と 12回、時間を 10分間とした場合の消費カロリー量は以下のとおりとなります3)。
キャッチボールの実施形態は様々で、至近距離から徐々に離れていったり、20mをはるかに越えて遠投まで行なう場合もありますから、実際には上のデータよりも消費カロリー量は多くなるかと思います。
さて、厚生労働省の進める「健康日本21」(21世紀における国民健康づくり運動)4) では、成人では1日300kcal以上の運動が必要とされています。上のデータでわかるように、1日たった10分間のキャッチボールでも、その1/10から半分近くがまかなえるわけです。練習としても重要ですが、カロリー消費の観点での意義も決して小さくはありません。
(初版2000.3.26)
(改訂2006.6.25)
【参考文献】 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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