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春、我々草野球人は「シーズン到来」という最大の幸せを感じます。しかし、同時に花粉症に悩む草野球人にとっては、一年で最大の苦難の季節でもあります。 現在、花粉症患者は日本の人口の15%といわれています。つまり1チームに1人以上は花粉症患者がいることになります。絶好の野球日和に気持ちよく草野球に興じるはずが、花粉症の症状で集中できなかった....などという話を耳にすることもあります。ここでは決して他人事ではない花粉症を、花粉飛散の角度から取り上げます。
スギの植林面積は450万haに達します。国土面積が3,779万haですから、国土の12%が植林スギです。ちなみにヒノキの植林面積は257万haで国土面積の7%です。これを考えると春の日本国土はまさに“花粉だらけ”と言えそうです。 現在の都道府県別の植林面積のデータがありますので、スギとヒノキについてベスト10を表にしてみました。
スギ林からの花粉(右写真)の飛散は早いところでは2月上旬から始まり、遅いところで5月の中旬までに終わります。つまりこの3ヶ月間が花粉症のメイン期間ということになります。ただし、メイン期間以降の6月から9月までの期間でも空中に花粉が観測されることがあります。その理由には以下の二つがあります。
(1)春にスギ林から飛散し、都市部で一度地面に落下した花粉が再度空中に舞い上がったため。この現象は農村部には見られず、アスファルトに覆われている都市部だけで見られる現象です。
スギ花粉を作るのは雄花(左写真)ですが、15年生以下の植林スギの雄花は極めて少なく、その後スギが成長するに伴って雄花は徐々に増加します。そして30年生頃から急増し、50年生頃に最大に達します。その後は雄花の量は高いレベルで維持されます。
スギの植林は植える苗に二つの種類があります。種子から生やした“実生苗”と、スギの枝を地面に挿して育てる“挿し木苗”です。実生苗は成長が早く、積雪などの環境変化にも強いため、ほとんどの地域で植林されています。挿し木苗は成長が遅く、環境変化にも強くありませんが、木材としての品質がよいため、本州の一部と九州地方で植林されています。
ご承知のとおり、2004年夏は記録的な猛暑でした。よってすでに年末には2005年春の花粉大飛散予測が発表されています。しかし、上記の知見を元にすると、2006年春の花粉飛散量は少ないということが予想されます。(追加:予想は当たり、2006年春の飛散量は減少しました。)
しかし、植林という観点で長期的な対策としては、スギの植林は雄花の量が少ない挿し木苗を中心にすることが挙げられます。
2005年1月、独立行政法人材木育種センターが遺伝的にまったく花粉をつくらない“無花粉スギ”の開発を発表しました。すでに材木としての特性も明らかになっており、全国に供給できる体制が整っているようです。ただ無花粉では樹木の育種ができませんから、センターではさらに“アレルゲン性の少ないスギ品種”の開発を今年度中に発表できるとしています。
(初版2005.2.1)(追加2006.6.24)
【参考資料】 (1)「スギ雄花の花粉飛散特性」平 英彰,吉井エリ,寺西秀豊, アレルギー,53(12),p1187-(2004) (2)「スギ林における花粉生産量の推定法」横山,金指, 森林総合研究所,平成9年度研究成果選集 (3)「無花粉スギを新たに開発」(プレリリース), 独立行政法人材木育種センター, 平成17年1月25日 |
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