|
石灰というとまず思い浮かべるのが、グランドに引くラインです。ファールライン・スリーフットライン・バッターズボックス・キャッチャースボックス・コーチャースボックス・ネクストバッターズサークル等々。2007年度からは野球規則6.09bを適用するための7.94mサークルを目にすることにもなりました1)。これらのラインがあるのとないのとでは野球に臨む際の臨場感がまるで違います。 石灰で引かれたラインは学校のグランドでもよく見かけますし、我々にとって非常に身近なツールのひとつです。今回はこの石灰についての見識を深めたいと思います。
石灰の原料は、鉱物資源である石灰岩(石灰石)です。サンゴや貝類、石灰藻などの海生生物の殻が堆積してできたもので、その主成分は炭酸カルシウム(CaCO3)です。日本では石灰岩を白亜とも呼びますが、その白亜でできた地層の年代を白亜紀(およそ 1億4000万年前から 6500万年前)と呼びます。恐竜が全盛期を迎え、そして絶滅した時代、石灰のルーツはそこにあります。地層の一つを成してはいますが、地下の奥深くにしかないというものではなく、地表に露出している場所も多くあります。イギリス・ドーバー海峡ではチョークと呼ばれる石灰岩の崖(右写真)が有名ですし、日本でもカルストや鍾乳洞などがありますが、それらは石灰岩で構成されています。また、ヒマラヤ・エベレスト山頂や、アルプス・アイガー山頂も石灰岩でできています。
日本は資源小国と言われますが、石灰岩は100%自給可能で、平成14年の統計では国内に石灰岩の鉱山数は285ヵ所、年間生産量は1億6800万トンです2)。その約半分はセメントの原料となります。ちなみに日本の鉄鉱石の輸入量は平成16年で1億3500万トンですから3)、石灰岩の需要は鉄鉱石を上回っています。
(1) 生石灰 主成分は酸化カルシウム CaO。白色の塊状または粉末状。石灰岩を水洗・篩い分けした後、焼成炉の中で900℃〜1,000℃の高温で焼いて作られます。水と非常に反応しやすいため、その性質を利用して除湿剤に使われています。
(2) 消石灰
(3) 炭酸カルシウム
〔追加〕
(4) 大理石
またすべり止めに用いられるロージンも見た目には石灰とよく似ていますが、ロージンの主成分は炭酸マグネシウム MgCO3 で、石灰ではありません。ロージンそのものは松ヤニを意味しますが、すべり止めとしてのロージンは、炭酸マグネシウム 80%・ロージン 15 %・石油樹脂5%で構成されています。
(初版2007.5.24) 【参考資料】 (1)2007年度野球規則改正情報,草窓情報メール 07.03.04配信 (2)鉱物資源 資料編,資源エネルギー庁 (3)鉄鉱石(鉄鋼)の需給動向とその背景〔PDF〕,外務省 (4)日本石灰協会・日本石灰工業組合 (5)秩父石灰工業(株)〔写真引用〕 (6)スポーツ品事故の豆知識,MIZUNO (7)健康ボールができるまで〔冊子〕,ナガセケンコー(株) (8)カラーラインパウダー、トーエイライト(株) (9)ライン引きに使う消石灰「失明の危険」に注意喚起,J-CASTニュース |
| <<第19章「球速の決定要因」 | 「草野球の科学」メニュー | 第21章「特許権」>> |
|---|