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★計画の三本柱★
この計画には三本の柱があり、簡単にまとめると、(1) 子供の体力低下に歯止めをかけ上昇に転じさせる、(2) 地域スポーツ環境の整備、(3) 日本の国際競技力の向上。この三本です。このうち我々グラスリーガーに直接関わるのは、(2)です。
★総合型地域スポーツクラブの育成★
上記(2)の地域スポーツ環境の整備のための必要不可欠な具体策として、総合型地域スポーツクラブの育成があります。2010年までに各市町村に少なくとも一つは設置し、将来的には中学校区程度の単位での設置を謳っています。この総合型地域スポーツクラブというのは、「地域住民が主体的に運営するスポーツクラブの形態」と定義されています。要するに、学校でもなく企業でもなく、地域が事業体としていろんなクラブチームを統合して運営してね、ということです。これは完全にヨーロッパの形態を模しています。例えばヨーロッパのあるクラブ内には多種のスポーツチームがあり、その中にサッカーチームが各レベルごとに置かれ、そのトップがプロチームだったりします。このような、地域におけるスポーツの形というのは「文化」というべきものですが、その文化を日本にも浸透させようというわけです。
★総合型地域スポーツクラブのメリット★
さて、このクラブの一般的なメリットとしては以下の点が挙げられます。
(1) 複数のスポーツ種目が用意されている。
(2) 年齢・レベルに応じた活動が可能である。
(3) 活動拠点(施設・クラブハウス)がある。
(4) 指導者によるスポーツ指導が受けられる。
確かに、これらが各地域で実現し、かつその中に野球が入っていれば、地域活動としての野球が各地で見られることになりそうです。特に熟年層や女性の野球活動にとって、その活動の場が用意されているというメリットは非常に大きいといえましょう。
★総合型地域スポーツクラブの課題★
文科省のこの計画を見ていると、確かに実現するとすごいな、と思える内容ばかりです。ただ、この計画ではクラブをNPO法人格で運営することが前提となっているため、財源の確保がとても大きな問題です。
また、最も気にかかるのは、この計画は「総合型地域スポーツクラブでなければならない」という前提に立っている点です。地域のスポーツ活動といえば、自治会内のサークル活動もそうですが、この計画では自治会活動は無視されています。自治会あるいは町内会は、単なる任意団体として位置づけられており、行政組織とは何ら関係がありません。しかし、既存の自治会活動を発展させていくという方策も決して悪くはなかったのではないかと思えます。今後、その自治会活動や学校の部活動とのバッティングをどうするかは課題の一つになるのではないでしょうか。特に高校生で甲子園を目指す場合、このクラブに所属することはできません。サッカーやバレーボールなどでも同じことがいえます。
★草野球チームにとっての懸念★
総合型地域スポーツクラブの存在は、草野球チームにどういう影響を与えるでしょうか。地元にクラブハウス付き、グランド付き、指導者付きのクラブチームが設立され、初心者クラスやマスターズクラスも用意されたら。。さあ、みなさんはどちらに参加しますか。今、この条件を満たす草野球チームはありません。逆に満たさないからこそ草野球チームといえます。
おそらく草野球チームはなくなりません。しかし文科省が目指す、文化としてのクラブスポーツが根付いた時、それは草野球チームの淘汰の時代でもあります。「このチームでやりたい」..そう思わせるものを持っていないチームは消え去っていくことになるのではないでしょうか。
もう一点、成り行き次第ですが懸念があります。本計画の地方公共団体に対する項にある、「公共スポーツ施設指定管理者として総合型地域スポーツクラブを指定すること」という一文です。これは一例として示されたものですが、これがあちらこちらで実現されると、当地の草野球界のグランド事情が極端に悪化する可能性があります。