「草野球の窓」
ミャンマー野球紀行 <2>


グローブオイルを通してくれっ!

【4月23日(水)】
 いよいよ出発の日。目覚ましを朝5時にセットするが2時に目が覚めた。 期待と緊張か? 午前4時30分、犬の散歩をかねて近所のコンビニへ。買ったのは、週間ベースボールとコロッケパン、コーヒー。 コロッケパンも今日からしばらく食べられなくなると思うと寂しい。

 午前6時に家を出て、午前8時30分に成田空港着。空港に先に送っておいた支援物資を引き取ってからタイ航空カウンターでチェックイン。手荷物検査で缶に入ったグローブオイルが引っ掛かる。缶に用途表示と主成分表示がないため怪しまれた。「グローブオイルは前例がない」とのこと。持っていたグローブを見せ、必死に説明。5分くらい待たされてようやくOKとなった。ミャンマーでこのオイルを待っている人がいるのだ。没収されるわけにはいかない。

 午前10時30分に飛行機に搭乗するも飛び立ったのは11時40分。遅いよ!! 旅の始まりからちょっと嫌な予感。機内は空いていたが、スチュワーデスだけがマスクをしていたのが気になった。これじゃ顔が見えない。。。。

 現地時間午後3時50分にタイのバンコク到着。空港内は涼しいが外の気温は34℃だそうだ。乗り継ぎもスムーズに行き、午後6時にヤンゴンへ出発。機内でSARSの問診票が配られた。英語なのでよくわからないから適当に書く。機内はガラガラ。普段は満席でチケットを買うのはたいへんらしいけど。 SARSの影響なのだろう。


いざ! ミャンマーに降り立つ

 タイ・バンコクから50分程でミャンマーの首都ヤンゴンに到着。飛行機からターミナルに向かうバスは車体に東武バスと書いてある。そういえば町には中古の日本車が多いとガイドブックに書いてあったな。。。

 空港は小さくて古い。しかも入国審査がとても長い。コンピューターはなく全て手作業だ。50分待ってようやく審査が終わる。ミャンマーに訪れた個人旅行者は200ドルをミャンマー国内だけで使用できる通貨(金券?)に強制両替させられる。私のような長期滞在者なら200ドルを使い切れるが、4,5日の短期旅行者ならとてもじゃないが使いきれないだろう。物価は日本の十分の一程度なのだから。しかも、余っても再両替は出来ない。そう、使い切るしかないのだ。一般に流通しているお金“チャット”は空港では手に入らない。これは不便すぎるぞ!

 手荷物を受け取り、カートに積み込んでいると不意に声を掛けられた。日本語だ。ミャンマー野球チームのチームリーダー、アウン・ナイン・ウーさんが迎えに来てくれたのだ。ミャンマーではパスを取れば手荷物受取所まで入って来られるようだ。
 荷物検査もスムーズに通り抜けて駐車場まで歩いて行く。岩崎さんは足を怪我していて車で待っているとのこと。外にはポーターがたくさんいる。空港なのに電灯が少なくて暗いのが気になった。ここでミャンマーチーム総監督の岩崎さんと初めて会う。足には痛々しくギブスが。挨拶をして、ホテルに向かう車の中から外を見た。首都ヤンゴンの印象は「暗くて人がいない」だった。暗いのは空港だけではなかったのだった。。
 岩崎監督の自宅で食事をご馳走になり、ホテルに戻ったのは午後10時頃。ミャンマーが午後10時だと日本は午前12時30分。時差は2時間30分ある。どうりで眠いわけだ。明日から早速練習に参加する。どんな球場でどんな人達なんだろう? 楽しみだ。


活気があるぞ! ミャンマー

【4月24日(木)】
 午前6時起床。7時にホテルの1階にある食堂に行く。このホテルは1泊10ドルで朝食が付いている。メニューはトースト2枚、バナナ、目玉焼き、コーヒー、オレンジジュースのアメリカ式。日本の味と大差なくおいしく食べられる。ホテルでは日本語は通じないが英語が出来る人がフロントにいる。私の英語は知っている単語を並べるだけのものだが、まあ何とかなる。
 言葉と言えばミャンマー語がまったく出来ないのを思い出した。選手とのコミュニケーションは大丈夫か? ちょっと心配になった。


【1】ヤンゴンの朝の風景

 午前8時45分、ホテルにアウン・ナイン・ウーさんが迎えに来てくれた。外に出ると朝から暑い。35℃以上はあるだろう。日差しもかなりきつい。沖縄の日差しと同じ感じだ。
 道路には車が多く走っている。人も多くて町には活気がある。昨夜見た風景と全く違うミャンマーがそこにあった【1】。「ビルマの竪琴」で見たのと同じ服装の僧侶がたくさん歩いている。道路脇にはバスを待っている人がたくさん立っている。走っているバスを見るとどのバスも超満員だ。ピックアップというトラックの荷台を改造して人が乗れるようになっているバスからは人がぶら下がって乗っている。バスは日本の中古車が多い。行き先の表示が日本語のままで直していないバスも走っている。これはタイでもよく見た風景だ。どの車も急加速、急ブレーキは当たり前でクラクションの音がとてもやかましい。運転は相当荒い。

 道路には横断歩道がないので、人が道を横断するときは車を避けながら命懸けの横断となる。この国では車優先なのだ。町には見慣れない形の建物、椰子の木なども見られ、改めて外国に来たんだなぁと実感する。


いよいよ野球場へ

  10分ほど走りスポーツ学校の中に入る。野球場はこのスポーツ学校の敷地内にある。入り口のゲートにはライフル銃を持った軍人が立っていた。以前、テロがあり、それからは公共施設には警備が付いているそうだ。軍人と目が合いお辞儀をするが何の反応もないので寂しかった。

 400メートル程進むとバックネットが見えてきた【2】。いよいよ野球場に到着だ。車から降りて野球場を眺める。大きな野球場だ。フェンスもあって木造の立派なダックアウトもある。シャワー、トイレもある。写真では見ていたが実際に見ると素晴らしい野球場だ。

【2】球場をバックグランド裏から撮影
【3】ボロボロのスパイク・・
【4】グランドでまず座禅を


 グランドから選手が出てきて車に積んである野球道具を降ろす。立っている私に選手が次々と挨拶をしてくれた。

「おはようございます。」

 日本語だ。にっこり笑って挨拶をする子供もいる。ユニフォームはバラバラで、足元を見るとスパイクは大体の選手が履いていたが、サンダルの子供が何人かいた。気になっていたスパイクだが相当くたびれたものを履いてる選手が目立つ【3】。 道具を降ろし終えた選手達はグランドで座禅を始めた。時間にして約5分程。強い日差しの中、これは相当辛そうだ【4】


2003年7月13日掲載

ご意見、ご感想はこちらまで
比嘉 満


海外草野球交流トップ

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10


トップ 〕/ リーグ名簿チームリンク集スポーツ安全保険草野球資料室草野球フォーラム「まるドの目」
「くまの穴」「草野球の科学」「マネージャーの声」「拝啓 新興チーム様」** ログイン**